今日は、夕方まで雨が降るという天気のせいか、ドジを踏んでしまいました。というのも、帰る間際に、明日の授業資料を一通り確認してみましたら、何と、最終部分のパワーポイント資料を作り忘れているではありませんか!ドッと疲れた感じですが、仕方ありません。気を取り直して、スライド4枚分を追加作成し、配付資料を印刷してきました。そのため、大学を出るのが、40分あまり遅くなり、帰宅が19時前になりました。気がついて良かったのですが、まぁ、「これでいいのだ」ということにしておきます。
さて、1日中研究室にいますと、何というか、息が詰まってきますので、昼食後などに、大学前の横断歩道橋を渡って、コンビニへ行き、雑誌を立ち読みしてきたりしています。今日は、週刊ダイヤモンドの10月31日号に、思わず目が行きました。「大学 総力ワイド特集」という記事が載っていました。先だっては、東洋経済が大学ランキングを特集していましたが、それに引き続いてのものです。
特集ページの始めを開いて、目に飛び込んできたタイトルが、今日のブログ・タイトルです。そうなのです、Chapter 1として、「大学倒産時代」と大書してありました。Chapter 1のキャッチコピーには、次のようにありました:
大学が次々に募集停止に追い込まれている。18歳人口の減少は一段落したが、市場はピーク時の4割減となり、弱肉強食に拍車がかかる。底辺校は八方塞がり。大学倒産時代がやってくる。
このブログでも、東海地方で、三重中京大学と、愛知新城大谷大学の2校が、本年度から募集停止になったことは、何度か取り上げてきました。これらの他に、同様に、本年度募集停止をした大学が、神戸ファッション造形大学、聖トマス大学及びLEC東京リーガルマインド大学の3校あり、計5校にのぼっているということです。
記事は、愛知新城大谷大学の事例から始まっています。新城市は、奥三河の入口に位置し、人口5万人、半径20㎞以内には高等教育機関がない、いわば過疎の市です。1999年に浄土真宗大谷派を母体にする尾張学園が、愛知新城大谷短期大学を開設し、当初計画では、本年4月に4年制大学に移行する予定であったようです。しかし、早くも、2001年には、定員割れに陥ったため、計画を大幅に前倒しし、2004年度に4年制大学化に踏み切ったという経過がありました。
ところが、開学した2004年度にいきなり、定員100名に対して入学者は61名という事態に遭遇します。
小規模な大学ほど、定員割れの影響は大きい。「定員を満たせば人件費が賄える。それほどぎりぎりの収支で運営しているので、ちょっとした読み違いが大きく響く」(同大関係者)。
ということのようです。新設校では、過去の蓄積がないため、資金力に乏しく、定員割れ大学には、国の補助金も減額または不交付となりますから、二重苦、三重苦の状況に陥ってしまうようです。結局、開学以来、一度も定員を満たすことはできず、累積赤字が14億円となりました。地元・新城市は、21億円を投じて、過疎化対策と活性化を期待したため、心理学と英語を中心とした人文系学部への転換を決断したようですが、財政的な余裕もなく、他のスポンサーも見つからず、万事休すという結末に相成ってしまった訳です。
過去10年間、経営破綻した大学は3校(立志館大学、萩国際大学、東和大学)でしたが、今年は一気に1年間で5大学に増加したのですから、ある意味で異常事態です(ただし、5校は、現在のところ破綻・廃校が決まっている訳ではありません)。
今回募集停止になった大学には、次の3つの共通点が指摘されています:
- 入学定員(1学年の定員ということです)が、250名以下の零細単科大学である
- 開学から間がないか、あるいは大規模な改組をここ数年で行っている
- 低偏差値である
全国に大学は、773校ありますが、記事によれば、そのうち、学生数が500名に満たない私立大学は95校。ここ10年間で開学した私立大学は、120校、偏差値40未満の大学が252校もあるといいます。したがって、大学の10~20%は相当に厳しい状況にあるというのが、編集部の見立てです。中には、資産を切り売りしてしのいでいるところもあるようです。
私立のマンモス大学も、昨今は、財務の悪化に苦しんでいるようですし、黒字であっても教育にお金をかけていない(教育研究経費の学生納付金に対する比率が低い)大学もかなりあるというデータも載っています。また、中には、系列の附属高校の黒字で、大学の赤字を補填しているところもあるそうです。
繰り返しになるが、773校ある大学のうち、東大、早慶といった「ブランド大学」は、ほんの一握りしかない。残りの何百という大学は名もなき底辺校であり、再編・淘汰の嵐はこれらの大学を呑み込んでいく。
というのが、編集部の結論の1つとなっています。さらに驚くことに、群馬県で、県教育委員会が特定の大学名をあげて各公立高校に進学させないようにという通達を出したところがあるといいます。大学側が、「営業妨害だ」と猛抗議して、通達内容は修正されたようですが、当該大学は、極度の営業不振に陥り、教職員への給与やボーナスの支払いがたびたび滞って、文部科学省の立ち入り検査が入ったといいますから、逆ギレかも知れません。
さらにもう一点。大学が粗製濫造された背景要因の1つとして、文部科学省の「天下りの罪」が指摘されていました。ある大学は、学部新設に当たって、文部科学省の担当者から、「おたくの大学にはうちのOBはいますか?」と聞かれたといいます。文部科学省は、おいしい天下り先が極端に少ないのだそうです。結局、天下り先確保のために、新設大学・学部の増加に敢えて、目をつぶってきたのではないかという指摘です。
それでいて、文部科学省は、「学士力の向上」とか、「半年間で15回の講義を必ず実施するように」とか、「成績評価を厳しく」とか、あれやこれや「指導」をしてきます。何だかおかしな話しです。教育に文部科学省が口を出すとロクなことはありません。
その他、低偏差値大学では、学生の3割が中学生レベルの学力しかないというデータ(日本リメディアル教育学会の資料)や、英検2級を取得していれば、学費免除の大学があるとか、驚くべき情報があります(念のために書き添えれば、英検2級は、高卒レベルです)。
などなど、引用しきれない、ビックリ情報が満載されていました。「大学が受験生を選ぶ時代は終わって、受験生が大学を選ぶ時代に入った」ということが、しばらく前から言われていましたが、まさかこれほどの有様とは、大学に奉職しながら、不勉強を恥じ入りました。
これから大学を受験されるお子さんをお持ちの保護者の方、大学に勤務しているご同業の方々、前回の週刊東洋経済と合わせて、この週刊ダイヤモンドは、必読資料かも知れません。自分の勤務先、受験予定先のデータを、一度はご覧になった方が良いかと思います。ただし、東洋経済は、財務力だけでなく、教育力、就職力も入れてランキングしてありましたが、ダイヤモンドは、主として経営面に注目し、それ以外の点については、事例を取り上げて、検討するというスタイルになっています。
いやぁ、国公立大学も決してよそ事ではありません。ため息ものでした。
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