9月もいよいよ最後を迎え、今日からは、大学は後期が始まりました。新型インフルに感染する学生達も少しずついるようで、心配です。大事に至らないことを願っています。と同時に、自らが感染しないよう、予防に努めることにします。全体的には、当初のような、パニックに近い現象は起きていませんので、その点は、新型インフルの弱毒性であること、また、どのように感染するかということなどについての周知が徹底してきているのでしょう。
さて、大学での私の授業は、明日からです。すでに一通り、準備は済ませてありますが、念のためにと思って、授業に使うパワーポイントの資料を確認してきました。若干、説明を追加した方が良いかと考え直し、少しだけ加筆してきました。学生の皆さんに配る資料は、すでに印刷してしまいましたので、明日、授業の中で触れることを忘れないようにしないといけません。
明日は、オリエンテーションとして、具体的な内容には入らず、人間関係論ではどういう内容を扱うか、また、予習・復習の意義や授業の流れをどのように想定しているか、そして、心理学は人間をどう理解するか、といったことを話す予定です。というのも、1年生対象ですので、丁寧なオリエンテーションをした方が良いだろうという判断と、心理学関係の科目には、一般的に興味は持ってくれているものの、そのイメージと、アカデミック心理学の実際との乖離がかなりあるからです。その他、メインの理由ではありませんが、教科書が生協に入荷したのが、先週末ですから、たぶん未購入者がいるだろうということもあります。
ところで、今日は、以前からのお約束で、放送大学・総合研究大学院大学のT先生が、いらっしゃって、放送大学で担当させてもらっています「心理学研究法」についてのインタビューを受けました。
私自身、もともと、臨床心理士として、発達障害の子供達やその親御さん、あるいは、大学に赴任してからは心理的問題を抱えた学生達の相談を受ける立場でした。ですから、「インタビュー」というのは、これまでは、「自分がするもの」であって、「自分がインタビューされる」という経験は、新聞記者の取材を受けたり、NHKの短時間の番組を作ったりという、わずかなものしかありませんでした。
もちろん、心理学を専門としている以上、研究の方法論として、どのようにインタビューするのかということは承知していますが、実体験としては、ほぼ初めてということで、新しい、貴重な経験をさせていただいたということです。
内容は、放送大学の「心理学研究法」の教材執筆、ラジオ出演を受ける経緯から、教材作成、放送録音、試験問題作成など、一連の仕事についてと、それぞれのことがらについて、私自身がどのように考え、また、どう感じて取り組んだかということがメイン・テーマでした。ほぼ1時間20分近くにわたりました。
「おしゃべり」をすることは、実は、けっこう好きなのですが、インタビュアーの質問を聞いて、それを理解し、的確にお答えするというのは、なかなか大変な仕事だというのが実感でした。T先生、申し訳ありません。実際のところは、いろいろと自分自身を振り返ることができ、良い経験をさせていただいたと思っています。たぶん、T先生の方も、ほぼ同業者を相手にインタビューをなさるというのも、いろいろと気を遣われて大変だっただろうと拝察しています。
T先生のインタビューは、私などが申し上げるのは大変失礼ながら、よく考えられ、質問項目、内容、順序もきちんと準備していただいており、答えにくいということはまったくありませんでした。
T先生のインタビューを受けたことと関連して、ということになりますが、こういったインタビューや、質問というのは、「質問力(明治大・齋藤孝先生著)」という本も出ているくらいで、いかに準備されているか、どの程度までインタビュアーや質問者自身が考えているかなどに基づく、「質問の仕方」によって、回答の内容やレベルは相当異なります。
授業における学生の皆さんの質問についても、このことは当てはまります。たとえば、単に「○○が分かりません」とだけ聞かれても、答えようがないこともありますし、一般的な、つまり、辞書に書いてあるような説明しかできないということはよくあります。
さらに、この頃、看護学や心理学では、質的研究ということで、インタビューに基づく記述データを、体系的に分析して、仮説を構成したり、理路的枠組みを作ったりするスタイルの研究が多くなっています。こういう研究の場合にも、インタビュアーがどの程度トレーニングされているかによって、得られる記述データの質がかなり変わってしまいます。初心者では、なかなか思い通りの答えが得られないと、ついつい「尋問調」になってしまい、インタビューを受けている方が、何だか「取り調べ」を受けているか、もっとひどい場合には、「追求されている」という感想を持ってしまうことがあります。
「話を聞く(本当は、聴くですが)」ということは、「話しをする」ことよりも容易だと思われがちですが、このように実は、そうではないのです。T先生のインタビューのことから、ちょっと連想が行き過ぎましたが、話を聴くとか、質問をするということがらは、日常、何気なくしていることですが、本当に聴きたいこと、知りたいことをきちんと聴くためには、それ相応の準備や、事前によく考えることが必要なのです。
と、こういうことを、今日、自分がインタビューを受けるという貴重な経験をさせてもらいながら、改めて感じた次第です。T先生には、私自身の体験や考えをまとめるという貴重な機会を与えていただき、感謝申し上げます。ただ、年齢のせいと、うつ病の経過期間中と重なっていた時期のことがらで、注意力や集中力が散漫となっていて、よく覚えていないことも多く、あまりお役には立てなかったのではないかと懸念しています。
明日は、久しぶりの授業ですが、初心者に戻ったつもりで、また、ブログのサブタイトルにありますように、淡々と、気合いを入れすぎずにこなしてこようと思っています。
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